2020年東京オリンピックに向けて、スケートボードもスケートパークも素晴らしい盛り上がりを見せています。
そこで、日本全国のエクストリームスポーツ愛好者の皆さんに「スケートパーク建設交渉の手順について」お伝えします。

【役所に伝えること】

まず、市町村の役所に造ってもらえるように働きかけるためには、オリンピックのことや、子ども達の育成のこと、他人とのコミュニケーション能力を育てる環境としてスケートパークが持つ教育的意味について充分伝えてください。スケートパークは、海外では教育施設や更生施設として既に利用されています。

また、スケートパークには規格が有りませんから、どんなパークでも造れますが、役所と交渉する前に先に決めておかなければいけない重点項目があります。
出来るだけ早い段階で下記の順番で決めて下さい。

  1. ルール・使い方(ヘルメットは自由か義務か?)
  2. スケートパークを利用できる競技種目(SK8のみ? BMXやインライン、その他の滑走競技は? フリーラインスケートなど)
  3. スケートパーク利用者のターゲットレベル(初心者~初級~中級~上級、オリンピック競技練習用途など)
  4. 上記の1~3が決まったら、初めて面積やセクションや規模を考えます。(ここは、お声かけいただければJSPAが手伝います)
  5. 欲しいスケートパーク規模に対する金額を知ること。(ここも、お声かけいただければJSPAが手伝います)

役所は5.を必要とします。そこで予算が決まります。ただしその前に、地元の市議会議員経由で市長にスケートパークを造ってもらえるようにお願いする必要があるかもしれません。直接役所のスポーツやスポーツ施設を管理する担当部署にお願いしても、意志決定権は議会に有りますから思うように進められません。

また、役所のスポーツに関わる部分は必ず「教育委員会との繋がりのある部署」です。しかし、教育長にもスケートパークを造る決定権は有りません。意志決定権は議会に有ります。

【意志決定権】

公共スケートパークを造る意志決定権を持つ議会を担うのは、市町村長や市町村議会議員です。そこをシッカリと押さえて、スケートパークの重要性を充分伝えなければ、否、伝わらなければ、欲しいスケートパーク規模の予算金額が出ないかもしれません。その場合でも、規模を縮小して考えるのですが、オリンピック選手が地元で育つためには、絶対に外せない場所があるかもしれません。三次元のR面は基本的に高額になります。その辺りも踏まえ充分検討してください。

もう一度言います。公共スケートパークを造る意志決定権を持つ議会を担うのは、市町村長や市町村議会議員です。

エクストリームスポーツ愛好者にだって、身にしみてわかるんです。
民主主義国家であり、資本主義経済社会で動いている日本の選挙制度の大切さが。

【政治家に理解してもらうことが大切】

だれも、特定の政治家にベッタリしたりゴマすったりする必要も無ければ、政治献金する必要も無ければ、政治家の命令に従わなければいけない。なんてことも一切ありません。私たちが考える、私たちの子供達が暮らす未来のために、スケートパークが必要なんです。それを、たくさんの人に理解していただければ、必ず公共スケートパークは出来ます。

【誰のために造るのか】

税金を使って造ってもらう公共施設です。公共スケートパークは、その地域に貢献できる施設でなければいけません。自分のため仲間のためと、狭く考えると裾の広がらないスケートパークになります。誰のために? これから生まれてくる子ども達に、こんなにたくさんの人達を楽しませるスポーツが、自由に出来る場所を造るんです。

【そのほかの注意点】

設計はご依頼いただければ私たちがお手伝いします。ただし、実際の施工に関しては、日本ではスケートパークを造った実績が少ないため、施工できる人が限られており、これから育ててゆく必要があります。例えば、設計をJSPAが担ったとしても、役所のルールや取り決め、予算の都合で「工事監理や工事アドバイス」をさせていただけない場合は、必ず施工で失敗します。

JSPAでは2017年4月以降、設計業務受託契約を結ぶ場合に、施工時の「施工図面確認および修正依頼権限と工事方法の直接現場アドバイスおよび工事指導権限」を与えられない場合の契約は、一切お受けしないことと致します。

施工で全てのクオリティーが決まるといっても過言ではありません。

近いうちに、役所との契約時、JSPAが工事監理に入るという“見積もりまで提出した口約束”でお受けした現場で、実際には工事監理やアドバイスの権限を頂けなかった公共スケートパークがオープンします。そこのR面のクオリティーを見れば、注意点の意味がわかるはずです。

以上!日本全国の皆さん!がんばりましょう!

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