2020年に東京でおこなわれるオリンピックにおいて、正式に競技採用されたスケートボードの盛り上がりが止まりません。
各自治体のご担当者の皆様や市議会議員の皆様、市長様におかれましては、地域市民からスケートパーク設置の陳情や請願が多数届いていることと思います。

今回は、スケートパークのコンサルティングやデザイン・設計・工事監理を専業で行っている日本で唯一の当NPO法人 日本スケートパーク協会として、一般利用者の皆様から地方公共団体の皆様、政治家や代議士の皆様に是非知っておいて頂きたい【スケートパークを造る際の注意点について】についてお知らせいたします。

【スケートパークを造る際の注意点について】

まず、どんなスケートパークを造れば良いのか? とても迷うところだと思いますが、スケートパークという公共施設を造った場合「ただスケートボードが公に練習できる場所」としてオープン以降存在し続けるわけではありません。

各地域のスケートパーク利用者は、地元のスケートパークを地域の誇りとして、地域に暮らす者のカルチャー(文化)としてとても大切に考えています。

一般的な集団スポーツである野球やサッカー、テニスやバスケットボールなど、競技場に一定の規格がある公共施設の場合は、設置場所や地域が変わることによって、景観や気候環境やロケーション、その場の歴史的利用経歴などによってそれぞれの場所の重みや重要度が増す事は充分考えられますが、基本的な規格やレギュレーションは変わりません。

しかしながら、スケートパークを利用するスケートボードに代表される個人競技は、その場所ごとの基本的な規格やレギュレーションが無いことがとても重要です。

では、何を基準に競技に取り組んでいるのでしょうか?
その答えは、スケートパーク利用者が一番大切にしている感覚にあります。

【リスペクトrespect=お互いが対等な関係の中でお互いに敬意を表すこと】

という表現があります。スケートパーク利用者は、誰しも対等な関係である事を普段から望んでいます。身体的な障害も知的障害も全く関係なく受け入れることができる感覚を持っています。そのスケートパーク利用者達は一緒に競技に取り組む仲間や、新しくスケートボードに取り組み始めた仲間をとても大切にします。それを知っていただければ当たり前のことですが、スケートパーク利用者は、自分の住まう地域にある地元のスケートパークを地域の誇りとして、地域に暮らす者のカルチャー(文化)としてとても大切に考えたいと思っています

例えば、私達が設計させていただいた代表的な公共スケートパークには八王子市のプラネットパーク浦安市が拡張工事をおこなった舞浜パークがありますが、他の地域に「同じようなスケートパークを造りたい」とか「見よう見まねでスケートパークを業者に造らせる」ということは不可能だと考えてください。それはスケートパークもどきにはなるかもしれませんが、スケートパーク利用者にリスペクトされない場所に必ずなります。そうして勝手に落書きされ、施設を壊され、タバコの吸殻やゴミや空き缶が転がるスラム化してしまった=なんちゃってスケートパークを私達は何十年もの間たくさん見てきました。

まず、利用者の声を聴いてください。その地域ごとにそれぞれの利用者が誇りを持って大切にしようと、守って行きたいスケートパークがあります。それこそが真のスケートパークであり、日本の行政が税金を使ってでも造る価値のある「とても大切な場所」になり得る唯一の方法です。スケートパークはスケートボードが出来る遊具が置いてある場所では無いんです。

【スケートパークとは】

スケートパークとは、地域に住まうお互いが対等な関係の中で「お互いに敬意を表すことができる」利用者が、コミュニケーションを図りながら仲間を大切にしながら、子育てをしながら、新しい仲間達と出会い地域の誇りや文化を大切に育むことのできる教育の場なんです。

ですから、是非とも各自治体のご担当者の皆様や市議会議員の皆様、市長様におかれましては、お互いに敬意を表すことができる対等な立場で、リスペクトしあえるような本物のスケートパークを造ってください。

日本スケートパーク協会が一番大切に考え取り組んでいる最重要課題は、行政と利用者との間の決して壊れない屈強な橋を作ることです

【私達のプロ意識について】

私達は日本で唯一、スケートパーク専門の設計コンサルタント業務をおこなっているNPO法人ですが、それぞれのメンバーはそれぞれの分野や業界でトップクラスのプロの専門技術者です。これを書いている理事長でもあり交渉人でもある私、河崎は壊れてしまったパソコンやNASなどの記憶媒体からのデータ復旧を1人でおこなう専門技術者です。また、設計士の金井は公共施設や医療機関、公園などかなり大きな施設の設計をしています。普段からかなり高いプロフェッショナル意識を持っており、どんな難題にも柔軟に業務に取り組んでいます。

先日”劇団四季で学んだプロフェッショナルとアマチュアのほんの僅かな違い~生き残る人・消える人~11のポイント“というブログを目にしましたが、2人とも全項目「そんなの当たり前。」と考えています。ですから、絶対に失敗しません。必ず地域に役立つスケートパークを造ることを確約します。

是非、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

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